みなさん、こんにちは!
今回私がご紹介する映画は、23年前に公開された岩井俊二監督の映画『スワロウテイル』です。
この映画は、独特の世界観、美しい音楽、キャストの演技が本当に素晴らしく、当時の若者の間で大ヒットした作品です。
Amazonプライムの評価でも、“この先ずっと世に残したい作品”“心の奥底から動かされるものがある”など、評価が高い作品となっています。
また、Charaさんや江口洋介さん、伊藤歩さんなどの豪華キャストが出演していることも有名です。特に、作品中のCharaさんの歌声は本当に美しく感動しました。
そんな素晴らしい作品を皆さんにもシェアしたいと思います。どうぞご覧くださいませ!
スワロウテイル 大まかなあらすじ。
この作品の舞台は「円」がすべての街、「イェンタウン」です。
それは、円を求めて移住した人々が暮らす街の名前です。日本人は、その群がった人々を軽蔑し、彼らのことを「円盗(イェンタウン)」と呼びます。この映画は、その「円盗(イェンタウン)」たちの切ない物語です。
スワロウテイル あらすじ
娼婦の母を亡くし、引き取り手もなくたらい回しにされていた少女(伊藤歩)が、胸にアゲハのタトゥーを入れた娼婦のグリコに引き取られました。そして、名前もなかった彼女に、「アゲハ」と名付け、アゲハの胸にマジックで芋虫の絵を描いたのでした。
グリコは、歌手を夢見る娼婦。子供の頃兄2人と円を稼ぐためにイェンタウンにやってきましたが、盗みを働く最中に一人の兄が交通事故で即死。そこからもう一人の兄とも音信不通になってしまったのでした。
アゲハはグリコと一緒に生活を始めます。
イェンタウンでは、円を稼ぐことが一番大切なのです。円を稼ぐために、人々はわざと通行車をパンクさせ、修理して円をもらいます。そのようにして円を稼いでいました。
グリコに連れられたアゲハは、フェイフォン(三上博史)とラン(渡部篤郎)が働く「あおぞら」というところで働き始めます。
アゲハは、昼は車の修理や鉄くずひろい、夜は飲み屋の手伝いを黙々と手伝い、徐々にイェンタウンの生活にも馴染んでいきました。
そんな中、グリコの家で須藤という暴力団の男が死にました。
須藤はグリコを買い、グリコの家に来ました。彼は、部屋にいたアゲハをたまたま見つけるとそのままアゲハに襲い掛かります。「彼女は違う」とそれを助けるグリコ。しかし、女の力では暴力団の男に勝てるわけもなく、止めに入ったグリコは須藤に殴られ続けます。アゲハは慌てて、隣の部屋に住んでいる元ボクサーのアーロウを呼びにいきます。すると、アーロウの一撃で須藤は窓から転落し、その後トラックに轢かれて死んでしまうのです。
運悪く、そこには目撃者がいました。レイコ(大塚寧々)です。
須藤が死んだことを警察に見つかるのを恐れた住人たちは、死体を墓場へ捨てにいます。
埋める直前、ランが須藤の腹にあった大きな傷からカセットテープを発見します。
それは、「マイウェイ」のカセットテープで、興味を持った住民たちが解析して見ると、なんとそれには一万円の偽札データが書き込まれていたのです。
住民たちは、一万円のデータを千円にプリントして金儲けに成功し、「あおぞら」から去っていきました。
一方その頃、須藤が所属していた暴力団とアヘン街のトップリュウリャンキはこのカセットテープを探していました。
スワロウテイル あらすじ(見所ネタバレ)
偽札データのおかげでお金持ちになったグリコたち。フィフォンとグリコ、アゲハは運タウンで暮らし始めました。そして、フェイフォンの提案で、グリコのためにライブハウスを始め、グリコをそこで歌わせることにしたのです。グリコ率いるイェンタンバンドでライブハウスは大盛況、レコード会社と契約を結ぶことになったのです。
しかし、レコード会社はグリコが元娼婦であることやイェンタウンであることを隠そうとしました。グリコの素性を隠すために、恋人であるフェイフォンと縁を切らせようとし、彼の素性を入国管理局に密告します。その結果、フェイフォンは逮捕され、上海に強制送還されてしまうのです。その後、なんとか街に戻ってくることができましたが、今度はグリコの事務所から手切れ金を渡されます。フェイフォンはグリコのためを思って受け取りますが、それを見たイェンタウンは激怒するのです。
こうして、初めは一つだったイェンタウンの心が徐々にバラバラに離れていってしまいました。
アゲハは、お金の力を使ってなんとかしようと、子供達を手下に、偽札データを使ってお金を集めます。そして、ライブハウスとグリコを買い戻そうとしたのです。しかし、結果はうまくいかず。
一方、グリコのバンドは人気絶頂。そんな中、レイコが記者の鈴木野(桃井かおり)に殺人事件の情報を売ります。
鈴木野の取材に振り回されるグリコでしたが、車での移動中にテープを探すマオフウたちに襲われます。グリコは、フェイフォンに助けを求め「あおぞら」へ向かいます。
フェイフォンもグリコを助けようと「あおぞら」に向かいますが、途中、偽札で両替をしていたところ警察に遭遇し逮捕されてしまいます。その後、フェイフォンは警察でひどい拷問を受け、そのまま死んでしまうのです。
グリコたちは「あおぞら」に到着すると、ランが待っていました。そしてスナイパーのシェンメイ(山口智子)とともに、一挙にマオフウたちを全滅させてしまったのです!
その後、フェイフォンの遺体を車に乗せ、盛大な葬式をするイェンタウンたちの姿がありました。アゲハは、彼の遺体が焼かれている車にむかって、集めたお金をひたすら投げていました。
やがて、時は流れ、全ては元に戻ったようです。グリコは歌手をやめ、アゲハはグリコとともに暮らしているのでした。アゲハの胸には、以前、アヘン街の闇医者にいれてもらった、グリコと同じアゲハチョウのタトゥーが入っていました。
芋虫だった少女は、美しく花開いたのです。
スワロウテイル 感想
まず、なんといっても独特の世界観、映像が本当に素晴らしかったです。
日本語・中国語。英語が飛び交う中で、日本でありながら、異国、異次元にいるような雑多なあの雰囲気は、このスワロウテイルでしか感じられないものだと思います。
また、Charaさんの甘く美しい歌声や、伊藤歩さんの体を張った演技にはとても胸を打たれました。
23年前の映画ということで、少し古い映画なのかなと思って見始めましたが、
全くそんなことはありませんでした。
むしろ、今の世の中だからこそ当てはまる部分がたくさんありました。
お金がないときには、貧乏ながらにもみんなで心を一つにして楽しく生活することができました。しかし、お金を持ったとたん、人とのつながりが薄れ、一つだった心がばらばらになっていく様子は、今の世の中とどこか似ていると思います。
私が特に印象的だったのは、死ぬ前のフィエフォンのシーン。
グリコのイェンタンバンドの看板がお空に高く掲げられてひらひら揺れながら登って行くところを、優しい笑みを浮かべてぼんやりと見つめるフェイフォン。この後、彼は、拷問を受けて死んでしまいます。
また、終盤のイェンタウンのみんながフェイフォンの葬式をおこなうシーンも印象的でした。
あまりの悲しさにうずくまるグリコ。大量の一万円札を炎の中に投げつけるアゲハ。これを見た時は本当に切なく、心にグッときました。
もちろん、円を求めていたフェイフォンへの追悼もあると思いますが、私は、資本主義社会への警鐘という意味での行為とも感じることができました。
久しぶりに、また何度でも見たいと思えるような素敵な映画に出会えました。
スワロウテイル まとめ
この映画は、どこか異次元に連れて行ってくれる、現実を忘れさせてくれて自分の生き方にもう一度向き合おうと気づかせてくれる本当に素敵な映画です。
Charaさんの素敵な歌声や10代の伊藤歩さんの胸を張った演技も見どころの一つです。
まだ、見たことのない方は、ぜひ一度鑑賞してみてください!!!
どこか異次元に誘われる、そんな深い作品にふれるとどこか忘れてしまっていた大切な心、気持ちを思い出しやすくなるかもしれませんね。
そんな人間心理や深い内面にご興味ある方におススメ!
心をテーマに色々な記事を扱っているブログがあるのですが、なかなか面白いですよ!
良ければこちらもどうぞ見てみてくださいね^^
↓ ↓ ↓